建設中に北側隣家から窓を変えろとクレームが! どう対応するのが正解?【体験談】

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こんにちは、シバママです。

2021年に住友林業で延床36坪の家を都内に建設しました。

我が家の建設中、構造立ち合いの少し前、外から見たら窓の位置がわかるくらいの段階で、北側隣家の旦那さんから接面の窓は透明ガラスなのか型ガラス(すりガラス)なのかと住友林業に問い合わせがあり、透明だと伝えたところ型ガラスに変えてほしいとクレームが入りました。

窓はすでに発注済みで、変更するには追加料金がかかります。

結論から言うと、法律的には何の問題もない設計をしているので窓ガラスを変える義務はありませんでしたが、追加料金を払って窓を変更しました。

もしかしたら、同じようなトラブルに直面して困っている方や、隣人トラブルをあらかじめ避けたくて情報を集めている方がいるかもしれないので、ことの経緯と結論に至るまで、このような事態を避けるためにどうすべきだったのか、我が家の事例をご紹介します。

目次

前提:我が家と隣家との位置関係

我が家が家を建てた土地は、長い間駐車場として使用されていました。

北側隣家からすれば、南側に建物がない日当たり良好な最高の条件でしたが、我が家の建設が決まったことで、その恩恵を受けられなくなってしまいます。

それは仕方のないことですし、嫌なら初めから南道路の土地に家を建てればいいのですが、自分がその北側隣家の住民だったら内心面白くないだろうなぁと思い、設計士さんに相談して、なるべくトラブルが起きないように設計してもらいました。

具体的には隣家側の天井を少し低くしたり、窓の位置を土地の境界線から1メートル以上離したりと、万が一隣家からクレームがあったとしても、日照権や目隠し請求権など、法律上は我が家にまったく非がないようにと配慮していただきました。

地鎮祭で自縄を見た時は「思ったよりも北側ギリギリに建てるなぁ……」という印象を持ちましたが、せっかく日当たりのいい南側を潰してまで北側隣家に配慮するのは違うと思い、まぁ設計士さんも考えてくれてるから大丈夫っしょ! と楽天的に考えようとしました。

近隣挨拶の際には笑顔で「ついに来る時が来てしまいました」と旦那さんからプチ嫌味を言われたくらいで、「家をもっと南側に寄せろ」とか「うちの日当たりが悪くなるようなことはするな」といった無茶を言われることはありませんでした。

ただし、同行した生産担当さんを呼び止めて「あの縄のところまで家が建つのか?」と確認していたので、私が思ったように北側隣家の旦那さんも「ギリギリまでうちに寄せて建てるんだな」と思ったのでしょう。

北側隣家も南側(我が家側)の敷地境界線ギリギリまで家を建てていたので、こちらがなるべく離したところで家同士の距離は近く感じますが、それはお互い様だと思っていました。

不動産関係で仕事をしていた父からは「北側隣家とはトラブルが生じやすいから、特段配慮した方が良い」とたびたび言われていたので、建設がはじまってからも内心ヒヤヒヤしていました。

接面の窓について建設中にクレームが入る

そんなある日、生産担当から夫に、北側隣家の旦那さんからクレームが入ったと連絡がありました。

構造立ち合いのちょっと前、窓の位置がわかり、そこに窓をはめる前の出来事です。

隣家と向かい合う窓が透明ガラスなのか型ガラスなのかどうかが気になって、問い合わせがあったとのこと。

透明ガラスだと伝えたところ、「型ガラスに変えるべきだと施主に伝えてほしい」と言われたそうです。

対応した生産担当は、北側隣家の方に法律で定められた距離を十分にとっているため型ガラスに変更する義務はないことを伝えてくれたようですが、「常識的に透明ガラスはありえない!」と強い口調で言われたとか。

また、「1週間後に打ち合わせを予定しているので、その際に施主さんにお伝えします」と返答したところ、「1週間後はなくて今すぐ伝えてほしい」と言われたそうです。

これは憶測ですが、1週間も待ったら窓がついて、もう変更は不可ですと言われるのを危惧したのではないでしょうか。

生産担当から夫に連絡が入る

すぐに伝えてほしいと隣家の旦那さんから電話を受けた生産担当からは、その日のうちに夫に連絡がありました。

ことの経緯を説明したうえで、法律に準じているから無理に変える必要はないこと、もし変えるのであれば追加料金がかかると説明があったそうです。

なぜ追加料金がかかるかというと、もう窓は工場で作られているため、ガラスを変更する場合は、新しく用意して入れ替える必要があるとか。

その費用はなんと15万円!

けして安くない金額ですが、用意できなくはない絶妙なラインです。

北側隣家の旦那さんも、家自体の設計を変えるのは無理でも窓ガラスくらいなら変えてくれるかもしれないと期待して電話してきたのかもしれません。

正直変えてもいいけど、その15万円で他のことができるじゃん! ともったいない気持ちも。

こだわって作ったマイホームに水を注された気分で、話を聞いた当初は「絶対譲ってやらないぞ!」と頭に血がのぼりました。

これは即答できないと判断し、ひとまず冷静に家族会議をしてから生産担当に回答をしようと、とりあえず保留にしました。

法律的には距離をとっているので問題はない

先ほど「法律で定められた距離を十分にとっている」と書きましたが、隣家と接する窓については、民法235条で、敷地境界線から1m未満の距離に「他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側」を設置する場合は、目隠しの設置が義務付けられています。

前述のように我が家は北側隣家との敷地境界線から1メートル以上離した位置に家を建てているので、当然、窓も1メートル以上離れており、目隠しの設置義務はありません。

なので、住友林業の生産担当からも、「別に変更しなくてもいいと思うし、隣家の方には納得していただくまで自分が説明します」と言われました。

当初、頭に血がのぼっていた私は「絶対変えないぞ! そんなに気にするなら初めから南道路の土地を買えば良いのに!!」と憤っていたのですが、時間が経って冷静になると「かなり強い口調で言われた」ことが気になりました。

納得いくまで説明してもらったところで、わざわざ電話をかけてきて強い口調で言うほど我が家の窓を気にしている人が、本当に納得するでしょうか。

現場を見ずに結論は出せないので、とりあえず現地に赴き、問題の窓から隣家を見てみることにしました。

現場を見て思ったこと

仕事の都合、夫は来れなかったので、現地には私一人で行きました。

現地に着いて、まずは家の外側から隣家との位置関係、距離感を確認しました。

このときは「十分離れてるし、やっぱり気にしすぎじゃないの?」と思いましたが、大工さんに家の中に入れてもらい、問題の窓から隣家を見たところ確かにちょっと気になるなぁ……と。

隣家の方と窓越しに向かい合ってしまったら気まずいのなんのってって感じです。

このまま透明ガラスにしていたら、あちらが見られることを気にしているように、こちらも見られることを気にしなければいけなくなりそう。

こっちだって見たくありません。

やはり百聞は一見にしかずです。

時間が経って冷静になっていたのもあり、窓を変えたい方に気持ちはシフトしていきました。

家族会議〜屈したくない夫とトラブルを避けたい妻〜

ということで、生産担当から連絡を受けた当初、「何で変えなきゃいけないんだ!」と頭に血がのぼっていた私ですが、現地を見に行って窓変えたい派に変わりました。

が、夫は現地を見ていないため「文句を言われる筋合いはないんだから、窓を変えなくてもいいのでは?」と若干戦う意思を見せます。

また、夫は窓を変えるだけで済むならいいけど、要望を叶えたらイケると踏んで相手からどんどん要求がエスカレートすることを危惧していました。

確かに。

私はバカがつくほどお人好しの部類なので、その可能性は考えていなかったのですが、窓を変えれば全てが解決するわけではないのかもしれません。

同じような事例で他の方々がどうしたのかと思って、2人でネットを検索したところ、我が家と同じように旦那さんは「なんで変えなきゃいけないんだ。変えて増長されたら困る」派が多いものの、奥さんがご近所トラブルを恐れて変えたがるパターンをいくつか見ました。

正直、追加料金を払ってまで変えたくない、こちらに非がないのに屈したくない気持ちは私にもありました。

しかし、これから長くお隣さんとして付き合いが続くわけなので、入居前から悪い印象を持たれているのは良くないという思いが勝り、家を見に行ったところ確かに気になる感じだったこと、こちらとしても見られるのは嫌だから変えようと説得。

だんだん怒りも冷めてきたのか、まぁそれでいいのであればと夫婦の意見は「追加料金を払って窓ガラスを変える」で一致しました。

文句言われる筋合いはありませんが、ただでさえ日当たりの問題があるなかで、新参者の我が家が隣家のプライバシーを侵すと思われるのは心外です。

亡き祖父の名言「譲ってやれ。お前の方が立場が上だ」を思い出し、10万ちょっとで恩を売れるならという黒い考えもあって、窓を透明ガラスから型ガラスに変更することに決めました。

窓を変えずに隣家の要望を叶える折衷案

とはいえ15万円の追加料金は痛いので、窓を変えずに隣家が納得するような折衷案がないかの検討はしました。

そのうちの1つは窓に目隠しシートを貼ることです。

メリットは圧倒的にローコストで問題を解決できそうなこと。

しかし、自分でつけなければいけない、せっかくこだわって作った住友林業の家がダサくなるかもしれない、などのデメリットが気になり、却下に。

どうせ北側の窓なんて隣家しか見えないのでダサくてもいいんですけど、隣家のせいで我が家がダサくなるのが嫌でした。

もう1つの方法は目隠しカーテンを引くこと。

しかし、窓にカーテンを引くなんて当たり前であり、それを見越したうえで隣家の旦那さんは「型ガラスにしろ!」と言っているはずなので、ガラス自体をどうにかする以外なさそうでした。

ということで、我が家としては、窓ガラスを透明から型ガラスにするのが一番シンプルだという結論に至りました。

住友林業 生産担当との話し合い

さて、クレームが入ってから2日後に、住友林業の生産担当と話し合いになりました。

生産担当は、ことの経緯と民法235条上、我々に窓を変える義務はなく、無理に変えなくても良いと思っていると説明をしたうえで、もし窓を変えるならばこのくらいかかりますと見積もりを提示してくださいました。

当初、窓の変更には15万円くらいかかると聞いていたのですが、原価ギリギリまで値下げしたとのことで、提示された変更費用は10万円以下でした。

こちらとしてはもう答えは決まっていましたが、もともと15万かかると思っていたものが10万以下まで下がったので、もう迷うことはありません。

「わざわざ電話してくるほど気になるのであれば、ガラスを変えない限り気にならなくなることはないと思う。今後のトラブルはなるべく回避したいから、お金がかかっても窓は変えたい」と、我々の結論を伝えました。

本心はわかりませんが、生産担当がかなり驚いた表情で「お……大人な対応ですね」と言ったのが印象に残っています。

このとき、生産担当に「できれば北側隣家の方に、施主が忙しいなかすぐに現場に駆けつけて実際に窓を見て、そんなにお気にされるのであればと、けして安くない追加料金をかけて、しなくていいのにわざわざ窓を変えたことを、最大限、恩を売る感じで伝えてください」と若干の無茶振りをしました。

また、夫からは「これ以上の変更は絶対にできない」と伝えるよう指示もありました。

生産担当がどのくらい頑張って伝えてくれたかは不明ですが、北側隣家の旦那さんに窓を変える旨をお伝えしたところ、ものすごく喜んでいらしたとのことなので、変える選択をしてよかったと思います。

また、これ以後、北側隣家から何か言われることはありませんでした。

引っ越しの挨拶でも「窓を変えさせてしまってごめんなさい」と奥様から気を遣って一言あったので(旦那さんからは特に何もなかったけど)、「こちらとしても言っていただいて初めて気がつきました。“お互いの”プライバシーが守れて、むしろよかったです」とお礼を言っておきました。

入居から半年以上が経ちましたが、通りが違うのもあり、北側隣家の方と会うこともなければ、特にトラブルもありません。

入居後に思うこと

さて、苦渋の決断をして窓ガラスを変えたわけですが、結論から言って変えてよかったです。

北側隣家から負の感情を持たれていないという安心感もありますし、あちらが「見られている」と感じるように、こちらも「見られている」と感じるかもしれません。

問題の窓は将来子供部屋にする予定の部屋の窓で、我が家の子供はまだ小さいのでしばらくは使わない予定でしたが、入居後の現在、物置でありながら子供の遊び場になっているため、透明ガラスだったらカーテンめくられた時に向こうから物で散乱した汚い部屋が丸見えになってしまうところでした。

出費は痛かったですが、こちらのプライバシー的にも、型ガラスにして本当によかったと思います。

反省点:はじめから隣家と接する窓は型ガラスにしておけばよかった

最後に反省点を。

我が家は南道路からの視線を気にして、あえて南側に大きな掃き出し窓をつけませんでしたが、北側については盲点でした。

家というのは南側を中心に設計されるものだと思うので、北側隣家も当然、南側を中心に設計されているはずです。

その証拠に、北側隣家の南側(我が家側)の壁は、一面窓と言っても過言ではないほど、窓だらけでした。

我が家にとって意味のない北側も、北側隣家からすれば大事な南側。

それについての配慮は必要だったのかもしれません。

というか、どうせ透明ガラスにしたところで見えるのは隣家なので、初めから型ガラスにしておけばよかったんだと思います。

できれば設計段階でそういった提案をしてほしかったですが、今そんなことを言っても仕方がないので、不満はこの一文で済ませておきます。

ということで、結論としては、「隣家と接する窓は型ガラスにしておいた方が無難というか安全」です。

設計段階で見せてもらえる完成イメージでは、広い森や草原の中に家が建っていますが、実際には家の周りには隣家があるので、窓ガラスを透明にしたところで見えるのは他人の家。

隣家の幼馴染と窓ぞいに恋をするとかのドリーミーな設定があるのであれば透明ガラスも良いですが、基本的に隣家なんて見えても別に面白くないので、住宅密集地における隣家との接面の窓は、法律上の距離が十分離れていようと型ガラスにするのが無難かな、と思った次第。

もしまだ変更可能な施主さんが読んでくれているのであれば、お節介かもしれませんが「家が接している隣家との接面の窓は型ガラスにしといたほうが良いと思いますよ」とお伝えしたいところ。

この体験談が少しでも参考になれば幸いです。

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